きゃらめるぽっぷこーん 

映画鑑賞メモ保管場所 mottoは簡潔に

まともじゃないのは君も一緒

おもしろかったーー!!
テンポが良くて展開がすっきりわかりやすくて楽しい☆
更に更に、主演の成田凌くんと清原果耶ちゃんがともかくうんまい!!
二人の絶妙にかみ合わない理屈満々の掛け合いが楽しくてずーっと楽しい。
キャスティングもばっちりで、胡散臭い実業家の小泉孝太郎さんがジャストフィットで、婚約者の泉里香さんが綺麗で聡明で素敵。

もう最高じゃないですか☆

二人でしゃべってる時の大野の引き笑いが気持ち悪くてうまいわぁ、そしてツボる。
そして婚約者の女性に対すると急に感じよい人になる不思議さ(笑)
友達のバーで、エナジードリンク10杯飲んで酔っ払ったおじさんにくだまいてる香住もうんまいわぁ。

そもそもまとも(普通)ってなんなの?って話で、
いろんな普通が世の中にはあって、同時に案外みんなそれぞれちょっと変だったりするしね。

登場する人全員にどこか共感する部分があって、ひたすらに楽しく鑑賞できる作品でした。

 

街の上で

 

若い頃を思い出す懐かしい何気ない日々。違和感なく馴染んでしまって、ずっとこのままこの人たちとこの街で一緒に過ごしたいくらいな気分でした。
街の佇まいが本当によくて、古着屋も、古本屋も、行きつけのバーも、小さな劇場も、まるで自分がそこにいたような心地よさ、生活感が残る。

~誰も見ることはないけど、確かにここに存在してる~
まさにその通りで、街の上で起きていた誰にもある存在していたものたち。

あんな風に街に出て、人と出会い人とかかわることが、コロナによって失われて、格段になくなってしまった今だからこそ、いろんなことを感じるんだろな。
そして下北沢は再開発が進んで、今現在は風景が変わってきているんだそうで、そういう点でも意味の深い作品でした。

主人公の青、古本屋で働く冬子、映画仲間のイハ、監督の卵の町子、そして元カノになった雪。
他にも古着屋のカップルの客や、カフェやバーの店主、お巡りさん等々、皆さん愛すべき人たちで、キャラクタが際立っていて上手いんですよね。
前半は比較的淡々とした展開だったけれど、終盤の路上でのややこしい人間関係のもつれは大爆笑でした。
そしてゲスト出演だと思ってた成田凌がまさかのそんな役回り!!(笑)

青と4人の女性の関係が、近いわけでなく、遠いけど優しげで、好意的で、基本的に青は振り回されるんだけど、そこがすごく好きでした。平和だ☆


ファーザー

 

ネタバレしないようにしていたけれど、なんとなくの内容はわかっちゃってたからなぁ。
未知の状態で観たならば、これはかなり驚いたと思う。

痴呆が始まった高齢のひとり暮らしの父を心配する娘の話。
物語の入り口としては他人事ではない、いつか我が身に起こるかもしれない話なんだけど、娘が突然が違う人として現れたところから、何が起きたのかと私も一緒に混乱しました。

知らない人が自分の家にいる。怖いよね、いったい何が起きているんだと混乱する。アンソニーは心細かったろうな。
演出はホラーサスペンス風になっていて、何が現実なのか何が虚像なのか判断できない恐怖さえある日常。
痴呆症になっていくアンソニーの視点で描かれていて、まるで追体験するようだった。

フラットと呼ばれる自宅。広々とした間取りで素敵なお家よね。家具も調度品もどっしりと風格があって、彼のこれまでの暮らしを想像する。
ひとりで暮らすには広い家だなぁっていう最初の印象だったけれど、間取りやキッチンのカタチが同じようでいて少しずつ変化していることに気付く(ホラーだよね)
奇妙だけど、そこからくる情報が多くて否応なしに集中しました。

エンジニアとして生きてきたアンソニーの人生や、若くして亡くなった妹や、アンと父との関係性。そこに思いを馳せる奥深さがあって、誰にでも訪れる人生の終焉について考えてしまう奥深い作品でした。

介護される身となったとしても幼い子供のように扱われることは嫌だと常々感じていたので、インテリを自負しているアンソニーの反発には納得したけれど、そんな彼が最後に母を求めて子供のように泣く姿は心が痛くて辛かった。ママに迎えに来て欲しいと、、
木々の緑を観ながら我がことのように胸が締め付けられました。
アンソニー・ホプキンスの名演技でした。
オリヴィア・コールマンも素晴らしかった。

 

 

真夜中乙女戦争

 

最初に感じたこと、声がいいよねー、「私」の声がいい。
今作のイメージの大きな要因になっているような気がする。
そしてとても美しい映画だった。

冒頭で「私」がこの作品は110分で終わると名言したので思わずニヤッとした。
そっか、これから始まることが寓話であることを宣言したんだな、って。
東京タワーから街の夜景が逆さまに映り、ぐるぐる回り、現実世界と違う世界に行ったり来たりしているんだという導入でした。

難解かもしれないという評判だったけれど、比較的わかりやすい作品だった
ともかくネタバレを一切避けたので公開初日に鑑賞、
ファイトクラブをもう一度観ておこうかとも思ったけど時間がなく、観なくて正解だったかもしれない。

黒服に影響を受ける「私」という関係だけれど、実は黒服は「私」の中に存在するものじゃないかとも想像できて、柄本さんがあえて存在感を重くしないように演じているんじゃないかと思ったりもした。
池田エライザさん演じる先輩がもっとミステリアスな役かと思いきや、真っ当に存在していそうな、私を現実に引き戻してくれるような役割でしたね。
先輩に思いを寄せる「私」だけれど、恋愛というよりは、二人はとても似ていて、まるで双子のような関係性を感じた

ともかく廉くんのビジュアルがとても綺麗、ああ綺麗だな、、思わず何度も思ったし(エライザさんも綺麗)、目の表情がいい。
そして鬱屈とした大学生で、母親だったらつかみどころがなくてイライラする男の子だった。出演者はほぼこの3人で、素晴らしいキャスティングでした。

あえていうなら、中盤の黒服が徒党を組んで反社会的にエスカレートしていくあたりが少し弱いというか、もっと過激で危険だったらよかったけれど、逆に今の時代は凶暴性が見えない方がリアルなのかもしれない。
その後に続くラストまでの流れが良かった。
私と先輩が向かいあう場面、私と黒服が対峙する場面からのクライマックスは息を呑んで観た。
東京が破壊される映像が感動的に綺麗で最高のエンディング。
私がコロナ禍の今を笑顔で生きていると信じたい。

ビリーアイリッシュの曲を聴きながらのエンドロールの余韻が気持ちが良かった。

 

浅草キッド

 

たけしが若い頃に浅草のストリップ劇場で働いていたことはなんとなく知っていたし、師匠の存在やエピソードもうっすらと聞いたことがあるような気がするんですよね。
なので物語の展開としては目新しモノではなかったんだけれど、
正直にね、良すぎてびっくりしました。

特筆すべきはビートたけし役の柳楽優弥の演技、凄まじく素晴らしかった!!
外見の印象は全く違うのに、何気ないしぐさや表情や立ち姿がたけしそのもので、ビートたけしが憑依したようで、マジで驚いた。

そして師匠の大泉洋が、笑われるんじゃない笑わせるんだ!という芸人として矜持を持ちながら、劇場にこだわりテレビに出演しなかったことから「幻の浅草芸人」と呼ばれた深見を凄い熱量で演じてました。
颯爽とストリップ劇場に入っていく様が粋でかっこいいんですよね、まさに昭和の粋な芸人。

時代背景が懐かしくて泣ける。
人間関係が希薄になりつつある今だからこそ、こういう師弟関係を拝見すると胸が熱くなる。

ネットフリックスでありがたく観ましたけど、近場の劇場で上映してくれたら、夫を連れて観にいきますけどねー。

満足すること間違いなしの作品でした。

 

ドライブ・マイ・カー

2時間59分の長尺で、体感としてはもっと短かったけど、集中力が必要な映画館で観るべき作品。
とても良かった。
感じること(考えること)が多くて、感想を聞かれてひと言で説明できないよね。
物語が収束するというよりも広がって終わった感じで(←もううまく説明できてない)
ウェルメイドとか、伏線が回収されて納得とか、カタルシスですっきりするとか、そういう次元で語れないものだった。

始まりはえっ?という印象。
舞台俳優の家福と妻の音との不思議な夫婦関係と、家福の喪失感の理由をアバンでじっくりと描く。長かった。

大切な人を失った人の喪失と再生の物語。
ひと言で説明するとそうなっちゃうんだろうけどちょっと違う。

入れ子方式で描かれるのが、広島で行われた演劇祭の演目チェーホフの「ワーニャ伯父さん」
9ヶ国語で演じていて、普通ならコミュニケーションできるはずのない異なる多言語で会話するの。
これが面白かったですね。
言語とは何か、というか、コミュニケーションに必要なものは何だろうって考えるよね。
演じるってどういうことだろう、、とか。
本読みの場面が延々と繰り返されるの、凄いよね、ちょっと規格外(笑)、でも必要だったんだろな。

そして演出家の家福が結果として演じることになって、人は悲しみや後悔を抱えながらも生きるしかないと、自ら答えを示すように家福自身が演じる。
韓国手話は音を発しなくても、シンプルにダイレクトに伝わる感情があって素晴らしい、感動しました。

タイトルどおり、家福の愛車サーブでドライブする場面が物語の中心で、車の中でいろんな会話がされるんだけど、
高槻と奥さんとのその後の話(物語)はちょっとびっくりした。
結果として彼のその後の行動が物語を動かしたけれど、わかるようなわからないような、、でも人生ってそういうもんだよな、、説明のつかないことってある、という謎の説得力がある。
高槻と家福は対極にいるよね。

人と人とが分かり合う方法、伝え合う方法の話をしていて、声とか演じることもテーマのひとつ。

本読みは感情をこめずに言葉ではなく声で発する。
亡くなった妻の声で、車の中で台詞を繰り返し流して練習する。
みさきの母との話、本当のことかどうかはわからないけれど、母は心からその言葉(声)を発してた。

声にこだわっている意味はなんだろう。
と同時に車の中の会話だからか、言葉で説明することが多くて、それで違和感ないことが面白いと思った。

エピローグは韓国でしたね。
コロナじゃなかったら撮影は釜山で行われる予定だったらしいので韓国なのかな。
晴れ晴れとしたみさきの表情で納得したけれど、観る側に結末を預けているのも好きです。

タイトルを聞いて最初に浮かんだのは、ビートルズの「ラバーソウル」
1曲目が「ドライブマイカー」で2曲目がシタールで始まる「Norwegian Wood」ノルウェイの森
高校生の時に繰り返し聴いた大好きなアルバムなんだけど、なぜか村上春樹さんで繋がって面白いと思ったのでした。

 

 

きのう何食べた?

 

大好きなドラマ、正月のスペシャルドラマも最高だったよね。
ドラマの劇場版って、基本的にはドラマでいいんじゃ?、、、と常日頃、若干否定的なとこあるんですけど、
このドラマに関してはシロさんとケンジに会える喜びで全面的に楽しみに待ってました。

初っ端の京都旅行のくだり、面白くてワクワクして、劇場でもあちこちで笑いが起きてた。

先日までおかえりモネで拝見していたお二人、とくにモネのパパだったケンジのあまりの変貌ぶりに感動感心しきりです。
(内野さん紫綬褒章おめでとうございます)

独別なことは何も起きない。仕事して、ご飯を作って食事する。
でも当たり前の日々が幸せなんだよなぁって再確認させてくれる。
丁寧に暮らしていこうと思えるし、家族に優しくなれる。

劇場版になったからといって何も変わらなかった。
ドラマで観ていた時と同じ、いつものほんわかとした日常だった。
そこがね、とっても良かったんですよ。

だだ、ちょっとだけ長かったかな。
後半のシロさんがケンジを心配するくだり、もうちょっとコンパクトだと良かったかも。

いやっ! でも最高だったです!!!!(大好きなドラマだから)

あの台所で作るお料理も美味しそうで、我が家の今夜の夕食は、ぶり大根と厚揚げにネギ味噌。
ぶりと大根を時間差で煮る方法、さっそく真似てみました。
美味しかったで~す。
京都にも行ってみたくなりました。
またシロさんとケンジに会えるといいな。