きゃらめるぽっぷこーん 

映画鑑賞メモ保管場所 mottoは簡潔に

朝が来る

 

自然光を生かした映像、台詞なのか否なのかわからない自然な言葉や、ノンフィクションのような描き方(実際に一部分はそうだったような)
いかにも河瀬直美監督らしい。

特別養子縁組制度:育てられない生みの親との法的な親子関係を解消し、養子となる子と法的な親子関係を結ぶ制度、戸籍には養子ではなく長男・長女と記載される

前半は子供を授かることができなかった夫婦が「特別養子縁組」を知り、朝斗を受け入れ育てる話。
幼稚園で起きた出来事からトラブルになるけれど、世間体よりも幼い息子の言葉を信じる夫婦の暮らしを描く。

後半はまだ初潮を迎えてもいない少女、片倉ひかりが身ごもり、NPO法人「ベビーバトン」で出産する話。
親や世間との関係、その事実と向き合えなかった苦しみを描いてた。

娘の身体やあかちゃんより世間体を考える片倉家の描き方が定型化しててなんだかなぁ、、
狼狽える親の心情は理解できるけど、あんなに殺伐と高校進学のことしか考えないかな。
そりゃそんな家にいたくなくなるよね。
佐都子が手紙の消された言葉を読み取ってすべてを理解する出来すぎなくらいの優しい人で、片倉家の家族との対比がありすぎて違和感はあった。
ひかりがごく普通の素直で優しい少女として登場したから尚更ね。

お金が必要になる必然からハンコの保証人の借金のエピソードが必要なのかもしれないけど、
ひかりはそれよりも自分の子に会いたかったんじゃないかと思いたいですよ、私は。

そもそも蒔田彩珠ちゃん目的で観たので、こんなに出演部分が多いとは思わなくて、そういう意味では大満足の内容でした。
彼女は演じてる感じがなくて、まさにひかりがそこに存在しているんだと感じて、どうか彼女の今後が幸せでありますようにと思わず願う。

まだ若い蒔田彩珠がこれからどんな女優になっていくのかさらに楽しみになりました。

 

キネマの神様

 

これは出演されてはいないけど、結果として志村けんさんの映画ですよね。

酒好きでギャンブル狂い、シニアの仕事で稼いだ金も競馬やマージャンにつぎこんで、さらにサラ金までして妻と娘に見限られそうな初老の男性。
家族だったら最悪、勘弁してくれって思うけど、でもなんかどっか憎めないんだよなぁ、、ってイメージのゴウさんですからね。
志村さんを当て書きの脚本だからそりゃしっくりくる。

この状況で代役を受けたジュリーは素晴らしいし、男気を感じてかっこいいです。
久々に彼が演じる姿をじっくり見られて良かったという気持ちもある。
どこかで志村さんを変換させつつ観てた感じもあって、ジュリーもそれでいいと思ってるんじゃないかな(と感じる)

若い頃のゴウさん、才能もあって映画への情熱もる菅田将暉くんが熱演してたけど、掴んだチャンスを下痢でふいにしちゃうって、、コントじゃ~ん(笑)
っていうテイストも、やっぱりお笑いが必要だった(志村さん~って!)

ゴウと淑子ちゃんの馴れ初めとか、なんだかんだ言いながら長年連れ添う夫婦愛っていうのが超ノスタルジックで、まあ、嫌いではない。
古臭いなーと思わないでもないけど、なんか安心する世代なんですよ。

永野芽郁ちゃん可愛かったし、北川景子さん綺麗でした。
東京物語かなって雰囲気の撮影風景もあったし、昭和の銀幕スターって原節子さんがモデルよね。
古き良き時代の映画の雰囲気を楽しめました。

 

かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル

 

舞台挨拶ライブビューイング付きで拝見いたしました、はい。
ういらぶ、前作ににつづき3回目(今後も頑張ります)
24時間テレビ当日の朝の挨拶で、今夜はゆっくり休んでという紫耀くんの天然発言が面白かったことも付け加えさせていただいて、、(笑)

前作はお二人のアップに耐えられるお顔をみられただけでもアイドル映画として堪能したって書いたけど、
今作もやはり美しかった、眼福。
これはどんな内容であったとしても、いかんせん一番に漏らしてしまう感想でして、良いんだか悪いんだか、って気もするけれど、
今作は笑える要素もきちんと面白かったし、ストーリとしても楽しめた。

ただ、ちょっと長い。
体育祭と文化祭の二大イベントがあってそれぞれにエピソードがあるのを一つにまとめたらもっとすっきり楽しめたのに。

ファイナルもそこそこヒットしたらしくて良かった。
次は平野くんに違うテイストの作品を、、、

 

 

ザ・ファブル 殺さない殺し屋




序盤からの駐車場のシーンでぐぐぐっと釘づけ!
スタントなしであそこまでやれる俳優って凄すぎませんか。
とりわけ凄いのが、足場が張り巡らされた団地の場面。
もう凄すぎて笑えるレベル!
団地のおばちゃんおじちゃんがわさわさいるのに、どんだけスナイパー?って設定も笑えるんだけど、もうわけわからずな圧巻な状態で魅入った。
それだけでも本作は観に行く価値が十分アリでございます。

さらに、今回はヨウコのお色気アクションがセクシーで魅力的。
岡田くんが締め技を提案して、さらに足がよく見えるホットパンツにしたそうで、ばっちりでしたよ、女性から見ても気持ちよいカッコよさだった。もっと観たい☆

印刷屋さんのバイトも続けて働いてるのね、偉いねー。
二朗さんとのアドリブなんだかわかんないとこ、相変わらず笑えました

平手友梨奈、若いのに存在感がとても強い。

前作も迫力あって良かったけど、今作はよりシンプルで分かりやすくてパワーアップして、これはもう続編ありますよね。
安心して楽しめるシリーズ作品になりそうです☆


キャラクター




いや、もっ!凄かったんっすよ!Fukaseくん!
不気味でむっちゃ怖い。
最近では「ヒメアノ~ル」の森田剛くんが断トツ凄かったけど、Fukaseくん!甲乙つけがたい感動するレベルの殺人鬼!

家族が惨殺される物語なので、相当に残酷(苦手な人にはおすすめしない)
なんだけど、スタイリッシュでお洒落な感じもあって、タイトルが出るタイミングがかっこいい。
全体的に絵が綺麗な作品だなという印象です。

一線を越えちゃった漫画家の菅田くんと、得体の知れないFukaseくんにフィーチャーしすぎてて、小栗旬くんが出ることすっかり忘れてまして、
小栗旬くんが登場して謎にホッとするという、、前半が猟奇的で怖すぎた、それだけ怖かったんですよ、マジ。
なので、中盤ええええーーっとびっくりしました。

絵は上手いのにキャラクタ造詣が苦手な漫画家がキャラクタ(殺人鬼)に絵を描かされている特殊な状況が起きて、
でも結果として、キャラクタ(殺人鬼)は創作された作品に影響されて模倣するという複雑な状況。
クライマックスは現実と創造物がクロスする展開で、とてもよくできてる。

ラストもね、これ解決しとるんですか???って言いたい。
あなたそんな無防備で大丈夫ですか?って声を大にして言いたい気分で終わったので、本当に怖い映画でした。
怖いっていうエンターテイメント、面白かったです。


くれなずめ



前情報をなるべく避けて観に行って、早々にもしや、、って思ったけど、
そもそも予告編でその辺を匂わせてるので、それは書いてもネタバレではないってことですよね、たぶん。

にしても、仲間内で最高に楽しそうで、部外者にはさっぱり乗れないネタでもりあがってるこいつらが最高だったし、
成田凌くんの、ひょろひょろっと、ふわふわっと浮いてるみたいな風貌がぴったりでしたね。
みんなで担ぎ上げたとき、重いんか~~~い!って思ったけどね(笑)

感動する場面が作られてるわけではないんだけど、なんかわかんないけど途中涙が出てきちゃった。
前田敦子さんとのくだり、、いい加減アカウント削除してよ!! は、かなりのツボで、そのあたりかな、じわじわと感情が揺さぶられてたの。

時間軸が行ったり来たりするのは「アズミ・ハルコは行方不明」を思い出す。
文化祭のコントネタで仮装して成仏する場面は、口がぽかーん状態だったけど、私は嫌いじゃない(つか、好き!)
現実世界と概念がごっちゃになる感じとか、疾走感と躍動感が、松居監督らしさ全開でした。

くれなずめは「暮れなずむ」を命令形にした監督の造語なんだそうです。
青くっさーーい青春を感じるんだけど、同時に暮れ始めている自分の人生にも思いを馳せる。
癖が強いから好き嫌いはあるかもしれないけど、私は大好きな作品です。

何気におしゃれなゲスト出演の皆さんなんですよ、そこも楽しかった。

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない



現在放映中「ドラゴン桜」の南沙良ちゃんが映画で新人賞を受賞していると知って気になって鑑賞。
なるほどー全然違う役柄、、というかそもそもドラマの今どきの女子高生役がイレギュラーみたいですね。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない」というタイトルが秀逸で、まさにその通りの作品でした。

同じ音を繰り返す「おおしま」という名字だなんて、なんというお気の毒な巡り合わせ、、
志乃ちゃんは独り言だったらすらすら話せるのに、人前では吃音症でうまく言葉がでない。
そして加代ちゃんは音楽が大好きなのに、人より抜きん出た音痴。
コンプレックスを抱えて人とうまく関われない青春真っただ中の二人に、
さらに空気が全く読めなくて周りから浮きまくってて友達が作れない同級生の男子の菊池が関わってくる。

我が身を振り返って考えるに、周りの高校生は楽しそうに盛り上がってる風に見えるけれど、自分てナニ?って考える時代で、
コンプレックスと向き合って、周囲と折り合いをつけることに心を痛めたり、傷ついたり、多かれ少なかれ、こういう感覚ってあると思うのよね。
なので、これが3人の特別な物語だとは全く思えなくて、ドストライクに身に染みて観ました。

シノカヨの主演二人が抜群に良くて、蒔田彩珠ちゃんも今クールの朝ドラに出演してますよね。期待の女優さんだってことが納得。
文化祭のクライマックスは涙しました。

絵に描いたような綺麗な結末ではないけれど、ちゃんと青春してて、確実に少し世界は動いてて、じわっと感動。
良い作品でした。