きゃらめるぽっぷこーん 

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桃さんのしあわせ

桃(タオ)さんのように、静かに、丁寧に暮らしたい ☆☆☆☆☆

 

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60年もの歳月をひとつの家族の世話をしてきた桃さんは

毎日同じ市場で買い物をし、掃除をし料理をし、飼い猫と会話しながら暮らしてる。

なくてはならない空気のような存在でありながら、当然家族ではない。

雇主と家政婦という一定の距離を保ちながら労わり合う関係性が見事でした。

桃さんの生きる姿が凛として素晴らしい。

 

脳卒中で倒れ、誰の世話にもならないと入った老人施設は

埃ひとつなく綺麗に暮らしてきたものとはかけ離れた環境だったので悲しくなったけど

桃さんは黙って受けいれて、周りの人たちときちんとした関係を築いていくんだよね。

なんて素敵な人なんだろう。

 

ロジャーは息子のような気持ちで見守っていて

桃さんも訪ねてきてくれるロジャーを息子のように待ち焦がれながらも

主人と使用人という距離感は崩さない。

押しつけがましくなく、無理もせず、でもしっかりとした絆で結ばれている。

 

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ロジャーは映画プロデューサー。

作業着のようなジャンバーを着て、バックを背負って歩き

空調作業員と間違えられたり、タクシーの運転手に間違えられたり

そして女っけはまったくない独身男性。

女の独り身を貫いてきた桃さんと、どこか似ているような気がして

この二人、きっとものすごく相性がいいんだよね、きっと。

 

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桃さんの作る料理が本当に本当に美味しそうで

愛情と手をかけて作る食事は、この世の中でどんな贅沢にも勝るよね。

料理すること、食べること、暮すこと

大事に暮らしていきたいと、改めて思い直しました。

 

淡々と、そして静かに人生の終焉を描いた作品。

きっと何度も観たくなる、感動が静かに心にとどまっていつまでも残る作品です。

 

 

桃さんのしあわせ(原題:桃姐)  2011年  ☆☆☆☆☆

監督:アン・ホイ

出演:アンディ・ラウ、ディニー・イップ

 

広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れる。

 

⇒⇒ 公式HP

 

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