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ポエトリー アグネスの詩

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音楽がほとんどなかったんですよね、始めに川が流れていて、最後も川の流れる音で終わる。とても静かな映画で、静かに観ていたんだけど、終わった後にいろんなことを考えました。

だからかねぇ、色んなことと考えすぎて全然感想がまとまらなかった。

書きたいことあり過ぎてものすごく長くなっちゃうの。

主演のユン・ジョンヒさんは韓国では伝説的なスター女優だそうです。

彼女の存在がすべてでしたね。

きっとあるであろう大女優のオーラは見事に封印してて、おしゃれで可愛らしくて、どことなく現実離れしてて、嫌なものは見ないで暮らしてきた人の様にも思えるけど意志の強さも感じる。彼女がどんな人生を送って今ここにいるのか、とても気になります。

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被害者の少女の母親に会いに行くシーンが印象的でした。

謝罪と示談のために行ったのに風景に気を取られて何をしにきたのか忘れてしまう。

詩の先生に何かを見るということの意味を考えなさいと言われて、今まで気づかなかった自然の中で人が生きている意味を感じて、とても良い表情をするんだけど、すっかり忘れていた現実も思いだす。複合的な意味合いのある場面でした。

イ・チャンドン監督は綺麗な部分も隠したい部分も全て描ききるところが素晴らしいと思う。

66才のセックスの場面は衝撃的だったけど、観る人によっていろんな感想があるんだと思う。

さらに500万ウォンの請求(恐喝?)に対してもいろんな意見がきっとあるんだろうけど、人生って良い悪いだけでは語れないものもあって、結果そうなったんだなって、そんなふうにしか私には言えない。

アルツハイマーと診断され言葉を忘れていく自分を思い、姉に可愛がられて文章を書くことが好きだった子供の頃を思いだす。ミジャは自分の人生を愛しむようにアグネスの短かった人生も愛しんだんだと思う。

最後にミジャは一遍の詩をのこして美しい世界と一体化したように突然画面から消えてしまう。

その意味の解釈は、やっぱり観る人それぞれにゆだねられているような気がしました。

ポエトリー アグネスの詩(原題:시)  2010年  ☆☆☆☆☆

監督:イ・チャンドン

出演:ユン・ジョンヒ

66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は、田舎の古いアパートで孫のチョンウク(イ・デビッド)と二人暮らしている。娘は釜山に出稼ぎ中で、生活保護とパート収入が頼りの生活は苦しいが、それなりに人生を楽しんでいる。彼女は右腕に痛みを感じて病院に行くが、体の不調より物忘れのひどさを懸念され、精密検査を受けてアルツハイマーと宣告される。ミジャは街の文化教室で詩作の教室を受講したことから詩の題材を探し始める。ところが、チョンウクと仲良しグループの男子学生たちが数ヶ月に渡って同級生の女子生徒を強姦し続け、彼女を自殺に追い込んだ事を知る。他の生徒の親たちは、アグネスの母に示談金を払って事件を隠蔽しようとするが、ミジャにはそんな大金の当てはない。