きゃらめるぽっぷこーん 

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舟を編む




壮大なドラマでしたね、辞書を出版するまでの15年間がコツコツと真面目に描かれてく。
主人公の名前も馬締(まじめ)光也だし。

大学では言語学を専攻していたという少々変わり者の馬締くん、
辞書製作という天職に出会い、好きなことが仕事につながるって幸せよね。
彼の真面目な暮らしぶり仕事ぶりがそのまま作品のペースになり、実に静かな心安らかな作品となっております。
上映時間も134分なんだけど、不思議とそんなに長いとは感じなかった。

早雲荘の大家さんとの関係性がすごくよかった。
家族じゃないけど(結果家族になったけど)近くで暮らしていて見守ってくれる人。
こういう関係が築けるってなかなかない。

一緒に夕ご飯を食べるシーン。
マヨネーズをはいって渡して、お惣菜は買ってきたパックのまま。
大家さんの前には鯖の煮たのがあって、
コロッケはもしかして一緒に食べるからって特別に買ったのかもしれない。
お味噌汁だけはちゃんと作って、ご飯は大盛り。
飾らないいつもの食卓の感じがたまらなく好きでした。

「若いうちに一生に仕事を見つけてそれだけで幸せなんだから、あとはずーっと行くだけ」
「他の人の気持ちがわからないなんて当たり前じゃないか」
「辞書作りって言葉を使う仕事だろ、だったらその言葉を使わなきゃ、頑張ってしゃべんなきゃ」

そこでなにげなく交わされた会話は馬締くんの人生にとってとても大事だった。
満月の夜、かぐやという名の大家さんの孫に一目惚れして結ばれるなんて、馬締くんって本当に果報者です。

さっさと馬締くんの恋愛に気づいて段取りしてくれる先輩上司の方々も気が利いてるし優しい。

辞書って今ほとんど手に取らなくなったよね。
スマホで簡単にネットで調べて済ませちゃう。
でも、本に囲まれた暮らしって憧れます。

風呂場も台所も共有なぼろアパートに、
本が山積みな鉛筆を使うアナログな職場、
人と人との関係性もそうだけど、懐かしくて繰り返し見たくなる中毒性があります。

 

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