きゃらめるぽっぷこーん 

映画鑑賞メモ保管場所 mottoは簡潔に

ミナリ



アカデミー賞最有力という最強なパワーワードを眺めつつ、数々の韓国映画作品の先にこういう事象(評価)に辿り着いたんだなぁなどと、勝手にいろいろ思ったりしております(超個人的感想)
でも、これは韓国映画ではない、アメリカ映画なんですよ、ややこしい。

ミナリ(芹)は韓国でよく食べられる食材で、田んぼの畔で逞しく生息する植物。
移住した先で逞しく根を張って生きた家族の話、移民した一家の話。

家族の話であり、移民の話でもあり、宗教の話でもあり、ラストはダウンジングで水脈を探す場面で終わったってことは、いろんなことを受け入れてその土地で生きていこうと決めたんだ、という話なんですよね、きっと。
実感として受け入れられない部分も感じつつだけど、総じて面白い作品でありました。

リー・アイザック・チョン監督の自伝的物語で、息子のデビッドが監督ということなんだよね。
一番の見どころはおばあちゃんの存在ですよね、おばあちゃんが登場したことで物語が俄然面白くなってくる。
クッキーも焼けない韓国の匂いのする花札をするおばあちゃんを嫌がっていたのだけれど、体の弱い自分を「ストロングボーイ」だと励ましてくれるおばあちゃんと心を通わせていく。
理屈じゃないんだよね、おばあちゃんと暮らすことで自身のアイデンティティを見つけるような話だった。
ユン・ヨジョンさんが素晴らしくて、「すべてのおばあちゃんに捧ぐ」で納得だなぁって、思ったのでした。

日々の暮らしを丁寧描いた作品。夫婦のぶつかり合いがリアルで喧嘩ばかりしてたけど、大きな災難に対しては家族は一致団結して乗り越えていくんだよね。